無題

あなたはとても疲れている。

ここ数日、朝起きても体は重く、頭もすっきりしない。

思考の奥深くに何やら不安めいたものを感じるが、それが何かはっきりしない。

あなたは顔を洗うために洗面所に入り、鏡を見る。

疲れているなと思う。

自分が思っている自分の顔とどこか違う。

目をきつく閉じゆっくりと開けてみる。

どうして鏡の中の人間はこんな悲しげな顔をしているのだろう。

大きく息を吸い、そして吐く。

不安は消えない。

あなたは確かなものを欲しがっている。

どんな嵐にも負けない屈強な拠り所を欲しがっている。

でもあなたは絶対という言葉を恐れている。

絶対と考えた途端、その絶対を崩すための例外をあなたは次から次へと考える。

あなたはもう一度目を閉じる。

大きく息を吸い、息を止めたまま目を開ける。

そして、ゆっくり息を吐いて、あなたの一日が始まる。